名画は“ツッコミ”を待っている!
アートと笑いの境界線上に立つ放送作家が「パロディ」を切り口に、名画がもっと身近でたのしくなる鑑賞法を提案。その着想と展開方法のエッセンスが明らかになる一冊。
『シャキーン!』『ダウンタウンDX』『M-1グランプリ』人気番組を手がけてきた放送作家・倉本美津留。
お笑いと真摯に向き合い、世の中の物事の新たな見方を提案し続けてきた著者のまなざしが、アートに向けられたとき、そこには新たな楽しみ方の入り口があった。
名画にちょっとだけ描き足しを施すことで、新たな価値観で見せようとくわだて、リスペクトと愛をもって笑いに昇華する書きとりを「パロディスム」と命名。
本書では、名画から触発された倉本が制作した長年ためていたパロディ作品を含む約50点を掲載。放送作家として長年培ってきた物事の転換・展開方法を4つの視点にわけてエッセイとともに紹介する。
また、本書内すべての作品を美術史家・宮下規久朗が徹底解説。美術史におけるパロディの系譜を、3つのコラムとともに考察する。
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『パロディスム宣言』のPOPを作成いたしました。
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【目次】
1章 倉本美津留のアート事始め
視点1 名画は“ツッコミ”を待っている!
視点2 タイトルからの連想が誘う新しい世界
視点3 最小の付加で最大の効果を狙う
視点4 作品がはらむ可能性をあからさまに!
ジャン=フランソワ・ミレー《落ち穂拾い》/アレクサンドル・カバネル《ヴィーナスの誕生》/フィンセント・ファン・ゴッホ《アルルの跳ね橋》/グスタフ・クリムト《接吻》/喜多川歌麿《ポッピンを吹く女》/フランシスコ・デ・ゴヤ《裸のマハ》《着衣のマハ》/エドガー・ドガ《踊り子》
2章 巨匠が巨匠を! 歴史的パロディスム
レオナルド・ダ・ヴィンチ《モナリザ》/マルセル・デュシャン《L.H.O.O.Q》/ジャック=ルイ・ダヴィッド《レカミエ夫人の肖像》/ルネ・マグリット《遠近法:ダヴィッドのレカミエ夫人》/エドゥアール・マネ《バルコニー》/ルネ・マグリット《遠近法Ⅱ:マネのバルコニー》/マルカントニオ・ライモンディ《パリスの審判》/エドゥアール・マネ《草上の昼食》/ヨハネス・フェルメール《レースを編む女》/サルバドール・ダリ《フェルメールの「レースを編む女」に関する偏執狂的批判的習作》/ジャン=フランソワ・ミレー《晩鐘》/サルバドール・ダリ《黄昏時の隔世遺伝》/ディエゴ・ベラスケス《ラス・メニーナス》、パブロ・ピカソ《ラス・メニーナス》/歌川広重《亀戸梅屋敷》/ジャン=フランソワ・ミレー《種まく人》/フィンセント・ファン・ゴッホ《夕陽に種まく人》
3章 実力派アーティストの現代パロディスム
葛飾北斎《蛸と海女》/会田誠《巨大フジ隊員vsキングギドラ》/ヨハネス・フェルメール《牛乳を注ぐ女》/小川信治《牛乳を注ぐ女》/ポール・セザンヌ《リンゴとオレンジ》/福田美蘭《リンゴとオレンジ》
[スペシャル鼎談] みうらじゅん×しりあがり寿×倉本美津留
「パロディスムってなんだ?」
[コラム] 宮下規久朗=文
・パロディの始まりと、その定義
・現代美術におけるパロディの存在感
・パロディ鑑賞は、知的な遊びである
倉本美津留(くらもと・みつる)
放送作家。1959年生まれ。『ダウンタウンDX』『シャキーン!』『M-1グランプリ』『浦沢直樹の漫勉』『アーホ!』など、数多くの人気テレビ番組やCM、イベントを手がける。近年では、笑いとアートの交わりをテーマに掲げ、プロデュースした「~アー!!ット叫ぶアート~ 大Ah!!rt展」「ヨコハマアートラリーアートと笑いの境界線」などを主宰。また、現代アートを応援するサイト「これやん」(https://koreyan.jp/)を立ち上げた。主な著書に『ことば絵本 明日のカルタ』(日本図書センター)、『倉本美津留の超国語辞典』(朝日出版社)がある。
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